セラミックス研究所は 窯業・土石製品製造業における産業振興や地域振興を目的として研究開発・技術支援を実施しています。研究員は現在13名在籍されています。県内には産業技術総合センター(関市)・食品科学研究所(岐阜市)・生活技術研究所(高山市)の4つがあります。
岐阜県セラミックス研究所の方針
陶磁器技術の高度化・競争力強化を行われており、シミュレーション技術や3D技術など、新しい技術の活用を推進しています。製品の外観検査システム開発や不良品低減対策などにより、人材不足、高品質化、信頼性向上に貢献しています。ブランド化を見据え、素材やデザイン面から製品の高付加価値を図るといった事にも力を入れられています。
省エネや脱炭素への対応にも積極的に取り組まれています。低温焼成の研究によるSDGs対策を職員さんがなさっています。またセラミックス材料に機能性を付与し、新分野への進出や応用展開を図るといった事にも挑戦されています。
陶磁器技術の継承 陶磁器産業技術継承支援プログラムとして企業技術者の育成や熟練者・技能者の技術力の維持・確保等の研修を実施しているほか、夏休み親子体験教室による次世代に対する陶磁器への興味を喚起されています。
セラミックス研究所の特徴としては、現場での困りごとを先回りに研究して提示される事を意識した研究に取り組まれています。また岐阜県内だけでなく県外の窯業技術支援センターとの連携も図っています。
美濃焼の産地の特徴 美濃焼は国内最大の陶磁器の生産地です。多治見市の笠原地区ではモザイクタイルの生産が日本一で、市之倉地区は盃地区の生産地として有名です。土岐市の駄知町はどんぶりやすり鉢の生産が有名で、下石は徳利の生産量日本一です。妻木地区は美濃白磁が有名な地区です。また美濃焼のシェアは日本で一番多く、生産額はここ数年300億円前後で推移しています。
セラミックス研究所の研究開発 江戸時代末期に美濃や瀬戸で生産されており、現代では作られなくなった染付の焼き物「太白焼」が150年ぶりに復活しました。
約150年前に作られた太白焼

素地と釉薬の分析を行い、再現する事に成功しました。真っ白ではないサバ土やリサイクル土を混ぜグレーや黒点による太白焼の趣を再現。美濃焼で最初に太白焼を始めた株式会社幸兵衛窯(多治見市)に技術移転し、「新生太白焼」として製品化しました。
新生太白焼湯呑


令和2年12月21日にJIS規格に制定された「ボーンチャイナ製食器の洗浄に関する化学的耐久性試験法(JIS S 2403)」に準拠した試験において食洗器対応「食器退色度」試験法の確立をしました。陶磁器性能試験の標準規格化に貢献(JIS規格に制定)しました。
リサイクル食器の商品化支援 廃食器粉砕物を用いたエコ食器の製造技術開発で得られた50%配合のリサイクル食器(Re50)に関する技術シーズを基に、企業へのフォローアップを図りながら透明釉の技術移転を実施。これまでのRe50は透明釉のみでしたが、新たに透明釉を小田陶器株式会社(瑞浪市)が商品化し販売を開始しました。
研究職の魅力 窯業が好きで根気強く中長期的なテーマで、地道に研究に取り組める人が向いています。工学部出身の方が多いですが、一部デザイン系の学科を卒業されている職員さんもいらっしゃいます。研究職の中途採用の募集も行われていることもあるので、行政事務だけでなく研究職というあまり知られていない職種にも興味を持って欲しいとの思いが強いそうです。県と市の研究職では、それぞれに役割や特徴があり、県の研究職では、学術的な要素を含む研究に取り組む機会も多くあります。
岐阜県セラミックス研究所のホームページ
https://www.ceram.rd.pref.gifu.lg.jp/
セラミックス研究所の所長様・小稲様・加藤様お忙しい中2度にわたる取材協力ありがとうございました。
